ジミー・バフェット
ローリング・ストーン誌の2006年の調査記事で、史上7番目に裕福なロックスターと発表されたジミー・バフェットは、ミュージシャンとしてだけではなく、ベストセラー作家、映画監督、飲食店チェーン、ショップ、ホテルなど経営する実業家としても知られている。10代をアラバマやミシシッピで過ごした後、60年代後半にナッシュヴィルにてファーストアルバム Down To Earth を制作、カントリー・ミュージシャンとしてデビューした。その後1970年に活動拠点をフロリダのキーウェストに移し、代表曲 Margaritaville や Come Monday などをヒットさせて、経営店にも Margaritaville Cafe などの曲名を付けている。トロピカルムードの歌詞をテーマにカントリー、フォーク、ポップミュージックなどをアレンジした独特の音楽で人気を獲得し、そのスタイルはしばしば「ガルフ&ウェスタン」と呼ばれる。現在までに30枚以上のアルバムをリリース、同時にコーラル・リーファー・バンドを率いるツアーも精力的に行い人気を博している。
本作は1988年リリースの通算17枚目のアルバムで、ホーンセクションやパーカッションを導入した当時の典型的なサウンド。アルバムは9曲のオリジナルと2曲のカヴァーで構成されており、Great Heart は南アフリカのジョニー・クレッグ&サヴーカのカヴァー、フランス語で歌われる L’Air de la Louisiane はバフェットがしばしば取り上げるジェシ・ウィンチェスターの曲。また Bring Back The Magic はウィル・ジェニングスと共作している。ゲストにはスティーヴ・ウィンウッド、スティーヴ・クロッパー、ジェイムズ・テイラー、リタ・クーリッジらが招かれ、スティーヴは My Barracuda でオルガンとバックヴォーカルを担当している。