ジョン・マーティン
英国サリー州出身のスコットランド系。幼少時に両親の離婚でグラスゴーの祖母の元で育てられた。17歳からプロとして音楽活動を開始し、1967年にアイランド・レコードと契約しファーストアルバムをリリースしている。スコットランドの伝統的なフォークをルーツにした、純粋なフォークロック作品から、テープエフェクトを取り入れた実験的なもの、ブルーズやジャズ色の濃いものなどアルバムごとに作風は異なる。72年にはニック・ドレイクに捧げたタイトル曲を含む名盤 Solid Air を録音、生涯の音楽パートナーとなるベーシストのダニー・トンプスンと初共演している。70年代末に相方ビヴァリーとの破局により精神不安に陥った時期もあったが、その後も精力的に音楽活動を続け、2009年1月に肺炎のため60歳で亡くなるまで、20枚以上のアルバムをリリースした。
スティーヴ・ウィンウッドが参加した1973年作 Inside Out にクレジットはないが、リマスター盤のライナーを読むと少なくとも、So Much In Love With You と Fine Lines でキーボードをプレイしていることが分かる。クリス・ウッドとレミ・カバカも本作に参加している。また77年作 One World でも6曲に参加しており、タイトル曲と Certain Surprise でエレクトリック・ピアノを、Dealer と Smiling Stranger でモーグを、Couldn’t Love You More でオルガンを、Small Hours でモーグとオルガンを演奏している。ジャケット・デザインは、トラフィックでお馴染のトニー・ライトが担当。04年には本作のデラックス盤が登場し、追加収録のアウトテイクや別ヴァージョンにスティーヴが関与している可能性がある。