ジェス・ローデン
英国ウスターシャ出身、1966年にアラン・ボウン・セットにヴォーカリストとして加入した。シングル Emergency 999 がモッズから派生したノーザンソウル・ムーヴメントの賛歌として人気を得て、ロンドンのマーキークラブにも出演した。69年の脱退直前のアルバム The Alan Bown! のヴォーカルは、英国盤は後任のロバート・パーマーと差し替えられたが、米国盤はジェス・ローデンのオリジナルでリリースされている。脱退後は故郷に戻りブロンコを結成し、70年代始めに2枚のアルバムを制作すると共に、モット・ザ・フープルやサンディ・デニー、同郷のジム・カパルディのアルバムに参加した。74年に初のソロアルバム Jess Roden をアイランド・レコードからリリース、これにはアラン・トゥーサンやアート・ネヴィルらが参加している。さらにジェス・ローデン・バンドを結成し、ライヴ盤を含め3枚のアルバムを制作したが大きな成功は得られなかった。77年にツトム・ヤマシタの Goo Too に参加、その後もニューヨークでソロアルバムや、80年代の中頃までにザ・リヴィッツ、セヴン・ウィンドウズ名義によるアルバムを制作している。
本作はジェス・ローデン&ザ・ヒューマンズとして、95年にリリースした久々のアルバム。パートは明記されていないが、スティーヴ・ウィンウッドは Railroad Of Desire でオルガンを弾いていると思われる。ジム・カパルディも Surrender To Your Heart をローデンと共作したり、バンド名を考案したりと貢献度は高い。またアイランド在籍中の75年にもレコーディング歴があり、スティーヴはその時のセッションで、In A Circle と If You Don’t Get What You Want の2曲でハモンドオルガンを弾いているようだが、音源は現在までのところリリースされていない。