リック・グレッチ
リック・グレッチはフランス・ボルドー出身のウクライナ系英国人で、1965年にファミリーの前身ファリナスのメンバーとしてプロデビュー。ファミリーでは初期2枚のアルバムでベースとヴァイオリンを担当している。その後ブラインド・フェイスを経て、70年8月からトラフィックに加入し71年末まで在籍した。70年代中頃にはマイク・ブルームフィールド、レイ・ケネディとKGBを結成するが、ドラッグ中毒の影響などもあり大きな成功を収めることはなかった。73年にソロ名義で携わった曲をまとめた編集盤 The Last Five Years をリリースした。音楽業界から身を引いた後、英国レスターでカーペット販売業を営んだが、肝臓疾患と脳内出血のために90年に43歳でこの世を去った。
1986年にリイシューされたブラインド・フェイスのドイツ盤CDには、作曲者不明の Exchange And Mart と Spending All My Days が追加収録されている。この2曲は米国ツアー終了後の69年10月に、リック・グレッチのソロアルバム用にロンドンのモーガン・スタジオ、一説にはオリンピック・スタジオで録音された音源といわれており、ブラインド・フェイスのアウトテイクではない。同セッションに参加したメンバーはリック・グレッチ、エリック・クラプトン、スティーヴ・ウィンウッド、ジョージ・ハリスン、デニー・レイン、アラン・ホワイトで、スティーヴは Exchange And Mart でマンドリン、Spending All My Days でハープシコードなどをプレイしているという。また後者では珍しいグレッチのヴォーカルが聴ける。