サンタナ(カルロス・サンタナ)
メキシコ出身のカルロス・サンタナを中心としたラテンロック・バンド。1966年に前身となるサンタナ・ブルーズ・バンドを結成、69年にウッドストック音楽祭で成功を収めると共にコロンビア・レコードと契約を交わし、バンド名をサンタナと改めた。その後はクオリティの高いアルバムとツアーの成功により、世界的な名声を獲得していった。Hymns For Peace はモントルー・ジャズ・フェスティヴァルにおける、2004年7月15日のステージを収録した映像。タイトルに相応しく、ジョン・レノン、ボブ・マーリー、マーヴィン・ゲイ、ボブ・ディランらの過去半世紀に渡って歌い継がれて来た平和賛歌を、サンタナとゲスト・ミュージシャンが共演し、3時間に渡るステージを繰り広げている。ゲスト陣も豪華で、特にチック・コリア、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ジョン・マクラフリンらジャズフィールドの名士が、マイルズ・デイヴィスやジョン・コルトレインの曲をプレイするなど、注目に値する内容となっている。スティーヴ・ウィンウッドはヴォーカルとハモンドオルガンでサンタナと共演し、ティミー・トーマスの Why Can’t We Live Together で熱いプレイを披露している。
2021年作 Blessings And Miracles には、プロコル・ハルムの Whiter Shade Of Pale のカヴァーを収録しており、スティーヴ・ウィンウッドがリードヴォーカルを歌っている。サンタナは17年にハイドパークで行われたコンサートでスティーヴと同席した際、この曲の共演を提案した。「君と僕でやるべきなんだけど、すごくセクシーに、ハレ・クリシュナみたいに、でもコンガを入れよう」と言ってスティーヴの耳元でデモを聴かせた。すると「聴こえるよ、カルロス、君の言うとおりだ」とスティーヴは応えたという。サンタナは完成した曲に対して「この曲はサンタナらしく、キューバンかつプエルトリコ風に、そしてアフリカンなテイストに仕上がったんだ。スティーヴの声はそりゃセクシーで美しいよ」と語っている。一方でスティーヴは「カルロスは私がこの50年間やろうとしてきたこと、つまりロック、ジャズ、フォーク、ラテン=アフロ=カリビアンの要素を組み合わせた音楽をやってのけたんだ。カルロスの才能は、ロックとラテン=キューバン・リズムの素晴らしい融合から生まれる部分が大きい。これまでに何度もカルロスと共演してきたけど、また一緒にプレイができることにとてもワクワクしているよ」と語っている。