エリック・クラプトン&ザ・パワーハウス
10代の頃から第一線で活躍していたスティーヴ・ウィンウッドとエリック・クラプトンは、お互いに親しい友人同士でギグなどで共演もしていたようだが、公式にレコーディングしたのは本作に収録された3曲が最初である。スティーヴがスペンサー・デイヴィス・グループに在籍し、クラプトンがジョン・メイオールとセッションをしていた時期の1966年2月に、エリック・クラプトン&ザ・パワーハウスというユニット名で録音された。メンバーはハーモニカがマンフレッド・マンのポール・ジョンズ、ベースがジャック・ブルース、ドラムズがスペンサー・デイヴィス・グループのピート・ヨーク、ピアノがベン・パーマー。スティーヴは所属レーベルとの契約の都合上、スティーヴ・アングロの変名で参加しており、ロバート・ジョンスン作 Crossroads と、ポール・ジョンズ作で彼の妻名義の I Want To Know の2曲で、若き日の研ぎ澄まされたヴォーカルを披露している。メンフィス・スリムの Stepping Out はインストナンバーのため、クレジット上はヴォーカル参加であるスティーヴが演奏に携わっているか不明。またクラプトンのインタヴューによると、この時にもう1曲スローブルーズを録音したらしいが未発表となっている。本作はエレクトラ・レコードによるオムニバス盤で、ラヴィン・スプーンフル、ポール・バタフィールド・ブルーズ・バンド、アル・クーパー、トム・ラッシュなど、ブルーズ系ミュージシャンの曲を収録している。