英国伝承のクリスマスソング
本作はクリスマスソングを集めたオムニバスアルバムで、シリーズ第3作目の1997年度盤にスティーヴ・ウィンウッドの歌う Christmas Is Now Drawing Near At Hand が収録されている。この曲は英国伝承歌のひとつで、半世紀以上前にウェストミッドランド地方を放浪していたジプシーたちが歌っていたもの。トラフィックの John Barleycorn と同様、英国のフォークグループであるザ・ウォータースンズのヴァージョンをベースにアレンジしており、英国の片田舎で迎えるひっそりとしたクリスマスの夜が似合いそうな、ピアノベースの素朴な味わいが魅力の曲に仕上がっている。レコーディングはグロスターシャのホーム・スタジオで、プロデュースやエンジニアリングも含めてスティーヴが単独で行っている。なおこのクリスマス・シリーズは、精神障害者のためのスポーツ大会を主催する「国際スペシャル・オリンピック」という団体が制作しているアルバムである。
【参考】ザ・ウォータースンズは、60年代に結成された英国のフォークソングを歌うファミリーグループ。オリジナルメンバーは姉ノーマ、弟マイク、妹イレイヌ・ウォータースンと従兄弟のジョン・ハリスンの4人で、イーストヨークシャの小村の出身。デビュー盤 Frost And Fire が、1965年のベスト・フォークアルバムに選出された。