アイランドとEMIの編集盤
アイランド・レコードとEMIアメリカから、サブタイトルまでまったく同名の編集盤がリリースされている。アイランドのほうはスペンサー・デイヴィス・グループ初のコンピレイションで、1967年11月にモノラルとステレオでリリースされた。代表曲 Gimme Some Lovin’ と I’m A Man、EP盤から She Put The Hurt On Me と Goodbye Stevie、シングルB面曲のインストナンバー Trampoline と Waltz For Lumumba など、オリジナル・アルバムには未収録だった曲のほか、未発表の Back Into My Life Again など全14曲を収録しているので、オリジナル・アルバムに匹敵する価値のある編集盤である。Gimme Some Lovin’ はコーラスとパーカッションを加えたUSヴァージョン、Every Little Bit Hurts はストリングスを加えたUSヴァージョンを収録している。本作は90年代にCD化されその後SHM素材でリイシューされたが、現在のところリマスター盤は制作されていない。ただし収録曲は全てリマスター済みで、国内盤紙ジャケ仕様の3枚のオリジナルアルバムに収録されている。
もう1枚は1987年にCDで発売されたEMIアメリカ編集のコンピレイションで、リリース当時はCDで聴けるスペンサー・デイヴィス・グループ唯一のアルバムとして貴重だった。15曲中5曲をUSヴァージョンで収録しており、特にギターの替わりにオルガンを入れた Somebody Help Me は貴重な音源である。これは66年6月に米国にてシングルでのみリリースされたヴァージョンで、現在はこのアルバムと先述の国内盤紙ジャケ仕様リマスターCD Autumn ‘66+8 のボーナストラックに収録されている。音源は全てスティーヴ・ウィンウッド在籍時のものだが、ジャケットに使われた写真はなぜかウィンウッド兄弟脱退後の第2期以降のメンバー・ショットになっている。