ボンゾ・ドッグ・バンド
英国アートスクールの学生だったヴィヴィアン・スタンシャル、ロドニー・スレイター、ニール・イニスを中心に、60年代半ばに結成されたグループ。その他の主要メンバーにロジャー・ラスキン・スピアやレッグス・ラリー・スミスらがいる。ボンゾ・ドッグの音楽はロックやポップスをベースに、キャバレーミュージック、トラッドジャズ、アヴァンギャルドなどを取り入れた独特のもので、結成時にボンゾ・ドッグ・ダダ・バンドの呼称もあったように、ダダイズム的思想に影響された音楽活動を展開していた。バンド活動のピークは60年代後半で、70年代初頭にはメンバーはすでにソロ活動を開始していた。しかしレコード会社との契約上バンド名義でアルバムを制作する義務があったようで、スタンシャルとイニスを中心にゲストミュージシャンを招き、1971年11月にレコーディングされたのが本作である。クレジットにスティーヴ・ウィンウッドの名前はないが、60年代サイケデリックロック・シーンのガイドブック Urban Spacemen And Wayfaring Strangers の中で、スティーヴが本作に参加しているという記述があるほか、2000年リリースの編集盤 New Tricks にはスティーヴの参加が明記されている。以降スティーヴはスタンシャルのアルバム Men Opening Umbrellas Ahead などに参加したり、曲作りを共にするなど交流は深い。