ハロルド・マクネア
ジャマイカのキングストン出身。若い頃バハマにてリトルGの名前で音楽活動を開始、主にサックスプレイヤーとしてカリブ音楽を演奏していた。1960年にマイアミでジャズとカリプソをミックスしたアルバム Bahama Bash を制作、この頃からフルートも演奏し始めている。同年末にヨーロッパに渡りクインシー・ジョーンズのツアーに同行した後、英国に居を移すと間もなくロニー・スコッツにレギュラーで出演するなど活躍、チャールズ・ミンガスから賞賛を受けカルテットに招かれたりもしている。64年にバハマで初のジャズアルバムを制作、その翌年にはアイランド・レコードから英国で初のリーダーアルバム Affectionate Fink をリリースした。68年のセカンド Harold McNair には代表曲 The Hipster を収録、70年にはジョン・キャメロンがストリングスのアレンジで参加したサード Flute And Nut と、ジャズ・フュージョンの方向性を打ち出した本作 The Fence の2枚をリリースしている。クレジットに名前がないがスティーヴ・ウィンウッドは全曲でオルガンを弾いているとされ、リック・グレッチもベースと作曲で参加している。ハロルド・マクネアは幅広いジャンルで共演をしており、有名なところではジンジャー・ベイカーの Ginger Baker’s Air Force、ドノヴァン、ジョン・マーティン、ブロッサム・ディアリーらとのセッションが挙げられる。またケン・ローチ監督映画「ケス」のサントラではフルートが、007シリーズ「ドクター・ノオ」のサントラではテナーサックスがフィーチュアされている。