スティーヴ・ウィンウッド公式録音記録：ＣＨＩＣ（ナイル・ロジャーズ＆バーナード・エドワーズ）

ＣＨＩＣ

ＣＨＩＣは、ナイル・ロジャーズとバーナード・エドワーズを中心に1977年に結成されたバンドで、Le Freak や Good Times などの大ヒットによりディスコ・ブームを牽引した。ロジャーズは80年代にダイアナ・ロス、デヴィッド・ボウイ、マドンナ、デュラン・デュランなど、数多くのアルバムをプロデュースしヒットに導いている。96年４月にＪＴスーパープロデューサーズ・シリーズ第３弾にあたる企画で、大阪城ホールと武道館でライヴが開催された。主役はナイル・ロジャーズで、スティーヴ・ウィンウッド、シスター･スレッジ、サイモン･ル･ボン、スラッシュらをフィーチュア。それにＣＨＩＣのメンバーと、バーナード・エドワーズがベースで参加している。スティーヴはソロ公演など一切なしで来日し、Higher Love と Gimme Some Lovin’、それにスラッシュと共演でジミ・ヘンドリクスの Stone Free を歌い、アンコールで Dancing In The Street をサイモン・ル・ボンとデュエットした。ナイル・ロジャーズはアルバム Back In The High Life に参加し、Higher Love と Wake Me Up On Judgement Day でギターを弾いている。その経緯から「今回のショーで Higher Love をプレイしたいので、ヴォーカルとオルガンで参加して欲しい」とスティーヴを誘ったという。

武道館公演を抜粋した本作 Live At The Budokan には、スティーヴ参加曲は Stone Free のみを収録しており、ヴォーカルとオルガンをプレイしている。またＤＶＤ版の Chic Live In Japan ではスティーヴの演奏は Stone Free も含めてカットされている。しかし日本でテレビ放映された際には、スティーヴのほかの参加曲も含まれていたようだ。なお３日目のコンサートを終えた17日の夜、バーナード・エドワーズが滞在先のホテルで肺炎のため客死した。ロジャーズとスティーヴはアルバム Junction Seven で、スライ・ストーンの Family Affair をレコーディングしエドワーズに捧げている。