ジミ・ヘンドリクス
米国ワシントン州シアトル出身。1966年に渡英するまでアイク&ティナ・ターナー、アイズレー・ブラザーズ、リトル・リチャードらのバックミュージシャンとして活動。67年に Hey Joe や Purple Haze などのシングルを英国で立て続けにヒットさせ、アメリカにおいても同年6月のモンタレー・ポップ・フェスティヴァルにおけるパフォーマンスでセンセイションを巻き起こし、一躍スターダムに上り詰めた。ノエル・レディング、ミッチ・ミッチェルとのトリオによるザ・ジミ・ヘンドリクス・イクスペリエンス名義で、3枚のスタジオ録音の傑作を残した。
1968年リリースの Electric Ladyland は、ザ・ジミ・ヘンドリクス・イクスペリエンスのセカンドアルバム。スティーヴ・ウィンウッドが参加した15分を越す Voodoo Chile はアルバム中の白眉で、ジミ・ヘンドリクスのギターとスティーヴのオルガンによるスリリングなインタープレイが繰り広げられている。本作の制作過程を解説したドキュメンタリフィルムには、「ヘンドリクスが人気絶頂期にあったスティーヴとの共演を切望していた」という話が紹介されていて興味深い。アルバムのレコーディングには、クリス・ウッドとデイヴ・メイスンも参加している。またスティーヴのソロアルバム About Time [Expanded Edition] のボーナストラックに同曲の再演が収録されており、ヴォーカルとオルガンはスティーヴ、ギターパートはジョゼ・ネトが弾いている。エリック・クラプトンとの共演もあり、ジョイント・コンサートを記録した Live From Madison Square Garden と、Crossroads Guitar Festival に収録されている。
1994年にリリースされた Blues はジミ・ヘンドリクスのブルーズ・スタイルの曲を集めた編集盤。Electric Ladyland セッションで3テイク録音されたという Voodoo Chile をコンポジットしたヴァージョンが、Voodoo Chile Blues のタイトルで収録されている。なお Electric Ladyland に採用されたのは第3テイクとのこと。71年の編集盤 Cry Of Love には、スティーヴ・ウィンウッドとクリス・ウッドがバックヴォーカルで参加した Ezy Ryder が収録されている。同曲は97年に新編纂された First Rays Of The New Rising Sun にも再収録され、2000年リリースのボックスセットでは別バージョンを聴くことができる。