ベスト編集盤と高音質盤
スティーヴ・ウィンウッドがアイランド・レコードを去った2年後の1989年、創設者のクリス・ブラックウェルは同社の株をポリグラムに売却、98年にはアイランドはユニヴァーサルミュージック・グループ傘下のレーベルとなった。ユニヴァーサル系列からスティーヴのコンピレイション盤が数種類リリースされており、ボックスセットも用意された Revolutions: The Very Best Of Steve Winwood は内容も充実している代表格。これら以外でソロ音源だけを集めたシングルCD編集盤が、2011年リリースの Steve Winwood Icon で、初期のアルバム3枚(Arc Of A Diver、Talking Back To The Night、Back In The High Life)から選曲されている。Help Me Angel と Talking Back To The Night は、ベスト盤 Chronicles のリミックス・ヴァージョンを収録しており、これがリマスタリング音源だとすれば、Chronicles はリマスター盤が出ていないため貴重(現物未確認)。99年リリースのミレニアムコレクション The Best Of Steve Winwood はリマスター音源による編集盤で、スペンサー・デイヴィス・グループ、ブラインド・フェイス、トラフィックを収録した全11曲でソロナンバーは含まれていない。同年発売のユニヴァーサル・マスターズ・コレクション Classic Steve Winwood も同様の構成でこちらは全14曲を収録している。
1993~97年にかけてソロアルバム初期の4タイトルが、オーディオファイル向けの高音質リマスタリングで知られるモービル・フィデリティ・サウンド・ラボより再発された。24カラットゴールドCD仕様で限定生産盤のため入手は非常に難しい。2003年にリリースされた編集盤 Well All Right Best は、8曲のソロナンバーを含む1965~90年までを包括する。駆け足ながら全18曲と収録曲数も多く、ドイツ・シュトゥットガルトの高音質レーベル ZOUNDS 制作盤なので、音質にも期待できる隠れたオールタイムベスト。また2014年には、Arc Of A Diver の紙ジャケット仕様SACDが日本にて初回限定盤で発売されている。