ジョージ・ハリスン
英国リヴァプール出身。ザ・ビートルズ時代は Something や While My Guitar Gently Weeps などの名曲を生みだし、ソロになると All Things Must Pass を3枚組ながら英米チャートの首位に送り込むなど活躍をしており、またロック界初の大規模チャリティー・コンサート The Concert For Bangla Desh を開催した功績も大きい。本作は自身のレーベルであるダークホースから1979年にリリースした通算6枚目のアルバムで、ソロ作品中でも高い評価を得ている名盤。スティーヴ・ウィンウッドはキーボード、ミニモーグ、ハーモニウム、バックヴォーカルなどを4曲でプレイしている。特にミニモーグ・ソロをフィーチュアした Love Comes To Everyone はエリック・クラプトンも参加した名曲で、2005年のクラプトンのアルバム Back Home において二人で再演している。このほかファーストシングル Blow Away のバックヴォーカル、Dark Sweet Lady のハーモニウム、Soft Touch のキーボードもスティーヴと思われる。プロデュースは後に Back In The High Life を制作することになるラス・タイトルマンが担当、リズムセクションのアンディ・ニューマークとウィリー・ウィークスは、スティーヴのファーストアルバム Steve Winwood に参加していた。
これと同じセッションで録音された Flying Hour にも、スティーヴは係わっている可能性が高い。この曲は上記のアルバム George Harrison の収録から漏れ、1981年リリースの Somewhere In England に収録を予定していたが再び選曲から外れて、87年に2500部限定で販売された豪華歌詞集 Songs By George Harrison の付録シングルに、リミックス・ヴァージョンが公式に収録された。リミックスのほうはカウントイン入りで正規スピード、一方オリジナル・ヴァージョンは半音ピッチが早い。またこのリミックス・ヴァージョンは2007年に、iTunes Music Store のデジタル版 Somewhere in England のボーナストラックとして収録された。ザ・ビートルズのメンバーのソロ活動を詳述した著作 Eight Arms To Hold You: The Solo Beatles Compendium によると、「Flying Hour は1978年3月にアルバム George Harrison セッションで録音した曲とされ、スティーヴ・ウィンウッドとアンディ・ニューマークの参加があげられる。その裏づけとして1980年の(Somewhere In England の)セッションに彼らは参加していない」と記載されている。またプロモ盤のライナーノーツには Andy Newmark Drums / Steve Winwood Moog+ARP と記載されているという。